2017-01-01から1年間の記事一覧

FRRはRFC5549な経路をLinuxカーネルのルーティングテーブルへどうやってインストールするのか

FRRouging (FRR)という、Quaggaからフォークしたルーティングデーモンがある。 github.com FRRはRFC 5549に対応しており、bgpdで受信したIPv6ネクストホップを持つIPv4経路をzebra経由でLinuxカーネルのルーティングテーブルへインストールすることができる…

Linuxにおける Equal Cost Multipath (ECMP) の設定方法と挙動に関するメモ

Linuxのネットワークスタックでmultipathを使用する場合の設定方法と挙動に関するメモ。 設定方法 設定自体は ip route add コマンドで nexthop を複数指定するだけ。src の指定は必要に応じて。 # ip route add 10.1.1.0/24 src 10.0.0.3 \ nexthop via 192…

Linux VRF with L3 Master Device

Linux kernel 4.4から登場した、L3 Master Device (l3mdev) によるVirtual Routing and Forwading (VRF) を軽く触ってみたメモ。 そもそも何をするためのものなのか Linuxのネットワーク廻りを触っていると、たまに「特定のネットワークインタフェースから入…

Generic XDPを使えばXDP動作環境がお手軽に構築できるようになった

XDP (eXpress Data Path) ネタ。 パフォーマンス上の理由から、XDPのパケット処理はskbが割り当てられる前にNICドライバから直接呼び出させる。そのため、XDPプログラムの動作にはNICドライバ側でのサポートが必要となる。 5月時点での対応ドライバリストは…

自宅のルータをAT-AR2050Vに入れ替えた & 回線をv6プラス化した

自宅マンションで光配線方式のフレッツが使えるようになったので、これを機にルータの入れ替えとv6プラス(IPv6 IPoE)化を実施したメモ。 結論から言うと、IPv4 PPPoE時代に発生していた夜間帯の輻輳が解消され、かなり快適になった。 構成変更前の環境 現住…

Facebookはレイヤ4ロードバランサをIPVS(LVS)からXDPベースのものに乗り換えつつある

4月に開催されたnetdev 2.1で面白いセッションがあったのでメモ。 Facebookが使用しているレイヤ4のロードバランサに関する発表で、従来はIPVS (LVS) を使用していたが、XDPベースで自ら開発したものに移行しつつある、という内容。 XDP Production Usage: D…

eBPF tail call 使い方メモ

eBPFにはtail callと呼ばれるプログラム呼び出し方法が存在する。 これは、ある実行中のBPFプログラムから別のBPFプログラムにジャンプするものである。あくまでジャンプであって、通常の関数呼び出しと違って呼び出し元に処理は戻らない。ユースケースとし…

Virtio-netでXDPを動かすにはqemuのオプション変更が必要

Linuxカーネル4.10からvirtio_netがXDPをサポートするようになった。だが、動作させるには少しオプション変更が必要となる。 Qemuの起動オプションに下記を渡すことでここに記載のあるオフロード機能が無効になり、XDPが動作するようになる: gso=off,guest_t…

Persistent eBPF map object with bcc

Linux kernel 4.4以降には,eBPF map/programを"永続化"する仕組みが実装されている.ここではその概要を説明しつつ,iovisor/bccを使って実際にその動作を確かめてみる. Background: eBPF objectを複数プロセスで共有したい eBPFにmapというデータ構造があ…

Maglev Hashing with Python

今更ながら,GoogleのMaglev論文で提案されているMaglev Hashingを手元で実装してみた. Maglev: A Fast and Reliable Software Network Load Balancer Maglev Hashingとは 所謂Consitent Hashの一種.Maglevロードバランサにおけるリアルサーバ選択に使用さ…